ベトナムの

工業団地事情

文/齊藤公

第29回 KCNニョンチャック6D工業団地の起工式

去る10月25日にべトナム国内9カ所(南部4カ所、北部5カ所)で300haの総開発面積を誇るシンガポール系の大手工業団地開発会社KCNが、南部ドンナイ省のKCNニョンチャック6D工業団地の起工式を行った。

ドンナイ省工業団地管理局の副局長Ms. Duong Thi Xuan Nuongのスピーチ

同工業団地はホーチミン市とビエンホア市とバリア・ブンタウ省の間の経済中心部に位置し、外資系企業にとっては南部の重要な工業団地となっていて、ホーチミン市中心部まで42km、タンソンニャット国際空港まで48km、建設中のロンタン国際空港まで18km、カットライ港まで31km、カイメップ港まで40kmと空港や港までのアクセスが良く、物流コストの節約が可能だ。

ワーカーやスタッフの確保に関しても、ドンナイ省には330万人以上の住人がいて、ホーチミン市からのアクセスも良く、人材の採用には困らないロケーションだ。また、工業団地周辺にはニョンチャック総合病院もあり、スタッフの怪我や病気の際も素早い対応が可能だ。

KCNニョンチャック6Dの起工式

ドンナイ省の天候は年中温暖で(平均気温:26~28℃)、また海抜も18m前後なので冠水などによる自然災害のリスクも少なく、安心して進出できる環境である。

今回は同工業団地のフェーズ1として4,847㎡~6,405㎡のサイズのレンタル倉庫の建設を予定している。

この起工式にはドンナイ省工業団地管理局のNuong副局長やKCNベトナムの幹部経営陣、また同社と提携しているエージェント各社が参加し、本プロジェクトの成功を祈念した。

KCN Nhon Trach 6D スタッフ一同

齊藤公(さいとうひろし)

Business Advisor
G.A. Consultants Vietnam Co., Ltd

大学卒業後に PHP 研究所に入社し、同社ニュー ヨーク事務所長を務めた後、中部日本放送(CBC) の関連会社で「名古屋港再開発プロジェクト」を 担当。その後拠点をアジアに移し、シンガポールで 「FM96.3」の開局や、ベトナムで「ハローベトナ ム」・「インベストアジア」の創刊を手掛け、ベトナム 最大規模のレンタル工場開発会社(BW Industrial Development JSC)で日系製造業の誘致を担当後、 現在はベトナム最古参の日系人事コンサルタント会社 「G.A. Consultants」にて、日系企業の進出コンサ ルタントとして活動。