
Viet Nam
工業団地の状況
Text by Saito Hiroshi
第48回 ベトナムに中古機械を輸入する際の主な注意点
① 輸入が禁止される機械がある
中古機械の輸入は全面的に自由ではない。
以下のものは輸入禁止または制限対象である:
- 技術基準(国家技術基準 QCVN)を満たさないもの
- 使用年数が10年以上の機械(一般原則)
- 一部の特定産業(繊維、造船、印刷など)は5年以内という制限もあり
- 環境汚染や安全リスクが高いもの
- 廃棄目的やスクラップ状態のもの
🔹 根拠法令:
ベトナム政令 No. 18/2019/NĐ-CP および 科学技術省通達 No. 23/2015/TT-BKHCN
② 技術条件・品質要件を満たす必要あり
中古機械でも次のいずれかの条件を満たす必要がある:
- 原産国で製造時に適用された安全・環境基準を満たすこと
- 同種の新品機械の80%以上の性能を有すること
- 製造年数が10年以内(一般機械の場合)
これらを証明するために、第三者検査機関の証明書(Inspection Certificate) が求められる。
③ 書類・手続きが多い
輸入時に必要な書類の例:
書類 | 内容 |
輸入申告書 | 通常の税関申告書 |
商業インボイス・パッキングリスト | 取引明細 |
売買契約書(コピー) | 売買の証明 |
第三者検査証明書(Certificate of Inspection) | 機械の性能・年式・状態を証明(例:SGS、TUVなど) |
製造年証明書または製造プレート写真 | 製造年月を確認 |
使用目的を説明する文書 | 特に企業が自己使用目的で輸入する場合に求められる |
④ 関税・VAT(付加価値税)
- 中古機械も新品と同様に関税が課税対象
- 関税率はHSコードにより異なる(例:5〜20%程度が一般的)
- 付加価値税(VAT):通常10%
⑤ 中古機械は「企業の自社利用」が原則
ベトナムでは、中古機械を輸入して販売する中古機械商のビジネスは原則認められていない。
輸入目的はあくまで:- 自社生産で使用するため
- プロジェクト導入の一部として輸入するため
など、自社使用限定が基本である。
⑥ 検査・通関時のトラブルに注意
- 検査証明書に不備があると、通関保留または再輸出命令となるケースあり。
- 現物検査で「製造年の改ざん」や「性能劣化」が判明した場合も輸入拒否の可能性。
⑦輸入成功のための実務的アドバイス
- 輸出前に第三者検査機関(SGS, Bureau Veritas, TUV等)で検査を受ける。
- 製造プレート(ネームプレート)と製造年を必ず確認。
- 輸入通関を扱った経験のあるフォワーダー・通関業者に依頼する。
- ベトナム科学技術省(MOST)や商工省(MOIT)に事前確認をとると安全。

齊藤公(Saito Hiroshi)
Business Advisor
G.A. Consultants Vietnam Co., Ltd
大学卒業後に PHP 研究所に入社し、同社ニュー ヨーク事務所長を務めた後、中部日本放送(CBC) の関連会社で「名古屋港再開発プロジェクト」を 担当。その後拠点をアジアに移し、シンガポールで 「FM96.3」の開局や、ベトナムで「ハローベトナ ム」・「インベストアジア」の創刊を手掛け、ベトナム 最大規模のレンタル工場開発会社(BW Industrial Development JSC)で日系製造業の誘致を担当後、 現在はベトナム最古参の日系人事コンサルタント会社 「G.A. Consultants」にて、日系企業の進出コンサ ルタントとして活動。

