Viet Nam

工業団地の状況

Text by Saito Hiroshi

第53回 オーダーメイドのレンタル工場

従来は製造業がベトナムに進出する場合は、自社の土地に工場を建設するか、既存のレンタル工場に入居するかの二者択一であったが、このたび北部フンイエン省のEcoland工業団地内で地鎮祭が行われたEco-Nova Factory (BTS Style)は、BTS (Build to Suit)という形式で、クライアントの要望通りの仕様の工場を、工業団地開発会社のEco-Nova Factoryが土地代と工場の建設費を負担して、クライアントは5~10年のリースで支払いができるというスキーム。

このBTSのレンタル工場には下記のようなメリットがある。

        1. 初期投資費用の削減

自社で土地を購入し自前の工場を建設すると、数億円から数十億円の初期投資が必要になるが、このBTSのスキームは、その初期投資費用を長期のリースで分割払いできるのが大きなメリットだ。

         2. レンタルなのにオーダーメイド

通常のレンタル工場は、工場の大きさ・天井高・床の耐荷重などのスペックが決まっていて、クライアントの求める仕様に合わない場合が多々ある。このBTSのスキームならば、レンタル工場でもクライアントの要望通りのスペックの工場建設が可能になる。

         3. 新会社設立手続き、人材確保、市場開拓の平行推進が可能

このBTSスキームのレンタル工場・倉庫の場合、建設期間中に新会社設立手続き(IRC/ERC)、人材の確保、市場の開拓等を並行して行うことができる。

          4. 建物維持管理や行政手続きの代行が可能

 このBTSスキームのレンタル工場・倉庫の場合、賃貸期間中は、レンタル工場・倉庫の開発運営会社であるEco-Nova Factoryが継続してメンテナンス対応を行う。また、行政手続きや定期的な行政検査等の対応も開発運営会社が代行する。

これは不動産開発事業及び総合建設事業を行っているJCMグループと、レンタル工場・倉庫の開発運営会社のEco-Nova Factoryが同じグループ会社であるからこそ実現できた、画期的な他に類を見ないスキームだ。

齊藤公(Saito Hiroshi)

Business Advisor
G.A. Consultants Vietnam Co., Ltd

大学卒業後に PHP 研究所に入社し、同社ニュー ヨーク事務所長を務めた後、中部日本放送(CBC) の関連会社で「名古屋港再開発プロジェクト」を 担当。その後拠点をアジアに移し、シンガポールで 「FM96.3」の開局や、ベトナムで「ハローベトナ ム」・「インベストアジア」の創刊を手掛け、ベトナム 最大規模のレンタル工場開発会社(BW Industrial Development JSC)で日系製造業の誘致を担当後、 現在はベトナム最古参の日系人事コンサルタント会社 「G.A. Consultants」にて、日系企業の進出コンサ ルタントとして活動。