Viet Nam

工業団地の状況

Text by Saito Hiroshi

第49回 2025年度のベトナムへの外国直接投資(FDI)の状況

① 2025年のFDI実績(総括)

総投資額(登録額)

  • 2025年のベトナムへの外国投資総額(FDI含む登録資本金、資本拠出、株式取得等)は 384.2億米ドル に達し、
  • 前年から微増した。

FDI実行額(支出額/ディスバースメント)

  • 実際にベトナム国内で使われたFDIdisbursed FDI)は 276.2億ドル と推定され、前年比約9%増加し、直近5年間
  • で最高水準となっている。

新規プロジェクト数

  • 2025年には 4,000件超の新規ライセンスプロジェクト が認可され、その総額は約173.2億ドルであった。

② セクター別・国別の特徴

セクター別の特徴

  • 製造・加工業が最大の受け皿となり、新規FDIの過半を占めている(製造業で約9.8億ドル)。
  • 不動産などのセクターも一定の投資を集めている。

主要投資国・地域

  • 投資額では1位: シンガポール 2位:中国 3位:韓国,、4位:日本が上位に並び、地域的な多様性が見られる。

🌱 地域別の動き

北部:バクニン省(54.6億USD)、首都ハノイ(38,7億USD)

南部:ドンナイ省(28.8億USD)、タイニン省(25.3億USD) 

  <2025年度 バクニン省 FDI 上位5社>

✅ 1. サムスン(Samsung Electronics/韓国)


    • バクニン省最大のFDI誘致企業の一角で、ディスプレイ・電子機器生産の大規模工場を複数展開。
    • 主にスマホ組立・部品製造などで数十億ドル規模の投資。
    • 同社の投資は省内FDI金額の大部分を占めていると評価される。

    • Samsung Bac Ninh Factory

✅ 2. フォックスコン(Foxconn/台湾)

  • 電子機器製造における大規模投資企業として存在感が強い。
  • バクニンでスマートフォン・電子部品関連工場を運営し、総投資額は数十億ドル規模に達しているという報道もあり。

✅ 3. ゴアテック(Goertek/中国)

  • AppleAirPodsなど電子機器の主要サプライヤーとして、バクニンに複数工場を保有。
  • 投資額は大型案件として数億〜十億ドル超の単位に達しており、地域内で規模の大きい外資企業。

✅ 4. アムコール(Amkor Technology/米国系)

  • 世界最大級の半導体パッケージ・テスト施設をバクニンに建設。
  • 総投資額が数十億ドル規模とされ、省全体のFDI額に大きく寄与。

✅ 5. キヤノン(Canon/日本)

  • 印刷機器・電子機器工場をバクニンで稼働。
  • 投資規模は数億ドルながら、省内の主要な外資系製造業として常に上位に位置。

③ 全体の評価と傾向

投資環境の強さ

  • FDIの実行・支出額が過去5年で最高水準となったことから、ベトナムの投資環境への信頼感が強いことが示されている。

景気と投資の関係

  • 経済全体では堅調な成長(GDP成長率上昇など)とともに、FDIの受け入れも堅調で、アジア開発銀行(ADB)など国際
  • 機関からも2025年の経済パフォーマンスは高く評価されている。

④ 総括

  • 登録FDI総額は微増(約384億ドル)実行FDI9%増で5年ぶり高水準となり、投資環境への信頼感が継続。
  • 製造業を中心に投資が拡大し、シンガポールや中国、韓国、日本などからの資本流入が顕著。
  • 都市別・地域別ではバクニン省やハノイなどへの集積も強まるなど、地域経済にも波及。
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齊藤公(Saito Hiroshi)

Business Advisor
G.A. Consultants Vietnam Co., Ltd

大学卒業後に PHP 研究所に入社し、同社ニュー ヨーク事務所長を務めた後、中部日本放送(CBC) の関連会社で「名古屋港再開発プロジェクト」を 担当。その後拠点をアジアに移し、シンガポールで 「FM96.3」の開局や、ベトナムで「ハローベトナ ム」・「インベストアジア」の創刊を手掛け、ベトナム 最大規模のレンタル工場開発会社(BW Industrial Development JSC)で日系製造業の誘致を担当後、 現在はベトナム最古参の日系人事コンサルタント会社 「G.A. Consultants」にて、日系企業の進出コンサ ルタントとして活動。