ベトナムの

工業団地事情

文/齊藤公

第37回 FDI(外国直接投資)誘致に熱心な市_カントー(Can Tho)市

1.ロケーション/人口/面積

カントー市はホーチミン市の西130kmに位置し、面積は1,440㎢で人口は約125万人である。

赤い部分がカントー市

2. カントー市の工業団地:

現在カートー市には12の工業団地:
①チャーノックⅠ工業団地、
②チャーノックⅡ工業団地、
③フンフー1工業団地、
④日本ベトナム友好工業団地、
⑤トットノット1工業団地、
⑥オーモン工業団地、
⑦カントーハイテックパーク、
⑧フンフー2ソーンA工業団地、
⑨フンフー2ソーンB工業団地、
⑩ヴィンタン工業団地、
⑪トットノット工業団地、
⑫VSIPカントー工業団地がある。

VSIPカントー・ヴィンタイン(VSIPカントー)工業団地は、ベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)が手がける工業団地としては、国内で13カ所、メコンデルタ地域では初の進出となる。投資・産業開発総公社(Becamex IDG社)、ベトナム・シンガポール工業団地合弁会社(VSIPグループ、およびベトナム・シンガポール都市・工業団地開発社)が出資する。ドンタップ省、アンザン省、ハウザン省に隣接し、港湾や空港へのアクセスも至便、インダストリー4.0を導入、通信回線は約9000回線を整備、産業・ハイテク・サービスの中心かつ住宅地としての役割を併せ持つ。敷地面積は900ヘクタール、雇用創出は約10万人、投資誘致額は約35億米ドルを見込み、南部地域における食品加工・流通拠点を目指している。

VSIPカントー工業団地

3. カントー市の特徴

カントー市(Thành phố Cần Thơ)はベトナム第5の都市で、南部メコンデルタ最大の都市であり、と同格の中央直轄市である。年間を通して温暖な気候で、平均気温は約27度。運河に囲まれ、緑豊かな果樹園が豊富で、別名「の都」と呼ばれている。食文化が豊富で、特にフルーツの種類が多く新鮮なものが安く手に入る。カントー市は学術面でもベトナムを代表する大学の一つである国立のカントー大学が所在し、メコンデルタ地域13省・市から優秀な学生が集まり、学んでいる。したがって 優秀な人材の集積地であると言える。

カントー大学

4.カントー市に進出している日系企業

カントー市には味の素ベトナム(フンフー1工業団地)を始めとする食品関連の日系企業が何社か進出している。

フンフー1工業団地に入っている「味の素カントー」

5.総括

カントー市はその温暖な気候と豊富な水源のため、農産、水産及び食品加工を中心に、医療や観光業、肥料などの業種が積極的に投資を行っていて、メコンデルタ地域の経済成長を牽引している。

齊藤公(さいとうひろし)

Business Advisor
G.A. Consultants Vietnam Co., Ltd

大学卒業後に PHP 研究所に入社し、同社ニュー ヨーク事務所長を務めた後、中部日本放送(CBC) の関連会社で「名古屋港再開発プロジェクト」を 担当。その後拠点をアジアに移し、シンガポールで 「FM96.3」の開局や、ベトナムで「ハローベトナ ム」・「インベストアジア」の創刊を手掛け、ベトナム 最大規模のレンタル工場開発会社(BW Industrial Development JSC)で日系製造業の誘致を担当後、 現在はベトナム最古参の日系人事コンサルタント会社 「G.A. Consultants」にて、日系企業の進出コンサ ルタントとして活動。